白洲信哉 SHIRASU SHINYA OFFICIAL WEBSITE


平成26年1月24日(金)  |固定リンク

  修復中の
平等院鳳凰堂

 都知事選がはじまった。僕は細川候補の秘書だったから様々なことが思い出される。昨年末、あるかたからそんな話がもれ伝わってきてはいたが、よくぞ決断されたと思う。もう76である。今思えば日本新党のときもかなり無謀なかけではあったと思うけど、今回は引退後培った文人生活を引換にしたのだ。大衆は、「お殿様のことだから」と一言で片付けるけど、いまの世の中、そんな気楽なことじゃできないよ。どこかのかたがとは違って、親からの援助なくやってきたし、政党助成金だってなかった。そこがお殿様、と云えばそうなのだが、後先考えず走りながら何とかしていく。きっと今回もそうした一種の熱情のようなことだと思う。昨日は渋谷の街頭演説を聞きにいった。二十年、年齢は感じるが小泉さんの演説にちょっと救われる。もともと演説嫌いだし、ちょうどいいコンビ相棒だ。都知事は予算的にみて一国とみられることもあるが、国と地方の関係を考える機会になると思う。原発は国の仕事だが、いつまでも進まない地方分権、一時元気だった大阪のように知事が国に対してある一定の役割を担うような「国のかたち」が理想だと思う。いまの国と地方の体制をそのまま歩みたいのなら、細川−小泉ライン以外の候補を選んだら良いと思う。原発だけではなく、いろんなところに疑問をなげかけてくれるはずだ。熊本県知事であった細川、新党運動のきっかけになった大きなことが、その国と地方の関係だったからだ。

 政策をながめて残念なことは、カジノ構想はなく、また大学についての言及、そして芸術文化にまったく触れていなかったことである。票にならない、ということなのかもしれないが、「行政として残せるものは文化である」とかつて県知事で言っていたことを忘れてしまったのであろうか。カジノは文化である。一番学生が多く集まっているのも東京。子育ても大事だけど、特色のない「ただの大学」をこれからどうしていくのか?ただ多く集まっているからっていいものじゃない。音楽にしてもこんなに交響楽団のある都市はない。江戸の文化ー歌舞伎、近代に東京へ集まった能楽。世界注目の築地市場。2020年はスポーツの祭典だが、あわせて国の誇り、地方の文化というものを両立させたいものだ。これもまた細川候補でしか出来ないことだと思う。

 僕は今回のことを一都民としてながめていこうと思う。昔のメンバーと話しもしたけど、話すのも顔をみるのも嫌な奴もいる。時計の針を自分から戻すことはしない。先日、平等院の神居さんからの依頼で、公募作品の審査員のひとりになった。その折、修復中の鳳凰堂に案内される。木で組み上げた足場に、僕は目をうばわれる。神居さんが「こんなことやらなくても良いという意見もあるけど、誰かがやらないとこうした技術もなくなるんです」「ユネスコのかたが、この足場に感銘をうけていましたよ」。僕もまったく同感である。足場だけで工期も長くなるというが、丸太を組み上げ作業をし易いように自由にアレンジされた踊り場に、伝統というものを支えることこそ、国の責務だろうと改めて思う。ひるがえると東京に、はたして未来に伝えていきたい建造物があるのか?僕はいささか心もとない気がして、雅の集大成をあとにした。


  鳳凰堂



 



  渋谷ハチ公前
街頭演説





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