白洲信哉 SHIRASU SHINYA OFFICIAL WEBSITE


平成25年10月6日(日)  |固定リンク

 

 これから香港に行く。羽田からというのは初めてで、やっぱりかなり便利だ。オリンピックでやっと国際化に第一歩を踏み出したのかもしれない。今回はサザビー40周年記念オークションの取材である。なにもかも初めてで今から楽しみだ。日本の古美術のことはある程度わかっているけど、世界的な目線で見ないと全体からの視点が欠けてしまうように思う。ガラパゴスはまわりを知ってこそ生きてくる。報告はまた。

 一昨日、箱根にオープンした岡田美術館のオープニングに行ってきた。八月にお邪魔したときは「これ工事間に合うのかな」と思ったけど無事開館することになる。13時のセレモニーを待っていると、あるかたが(寺元副館長でした)歩み寄ってきて、名誉館長の岡田です。と紹介される。氏と面識はなく、慌てて名刺を差し出すとさっと交換して去られた。想像していたかたと印象が違ったが、氏の挨拶を聞いて僕は合点がいった。

 この美術館はいちからスタートし、十二、三年の間に収集した個人コレクションである。縄文から近代絵画まで幅が広いが、その中心は中国磁器である。根津美術館の四倍、という広い会場に圧巻の美術品が並んでいる。なかにはまだまだこれからの分野もあるが、これだけのスケール感がある陶磁器美術館は奇跡だと思う。少し前の根津さんや五島さん、出光に畠山さんのように膨大にものが出て時代ではなく、ある程度収まり先が決まっているこの時勢に、しかも誰かのコレクションを一括して購入したのではなく、ほんとに一から個人の目を通しての蒐集なのだ。

 セレモニーがまた良かった。政治家や有名なかたが壇上に並ぶのではなく、美術館設立にほんとに尽力したかたが挨拶された。名誉館長は「僕が好きで集めたもの そのなかで一つでもいいから心にとめたものがあったら僕は嬉しい」とそれだけの挨拶だった。短かったがこれが美術鑑賞で一番大事なことだし、氏の愛玩濃度が伝わった。さらっと、だが情熱は人の何十倍もあるかたなのだろう。続いて副館長の寺元氏が壇上に。普通は館長と続くのだが、ここがユニークなところ。寺元副館長は岡田氏の右腕として、美術品購入の責任者である。端には壺中居の井上さんも座っていて、この美術館はそのお蔵から放出したことを物語っている。どうぞゆっくりご覧アレ。僕は中国美術に詳しくはないが、古渡り?

 長年「これは」と思うコレクターの登場を待って、ずっと秘蔵していた大店のプライドが僕には伝わってくる。この懐の深さと、それをイイ値で受け止めたコレクターとの真剣勝負 利益だけを追求する経済人で、これほどのかたが現れるとはね。というかみんなサラリーマンになっちゃって、スケールある経営者がこの国にはいないということだ。別に古美術でなくてもいいが、後世に伝えていけることやものにもっと目を向けて欲しいと思う。でも僕はこういうかたが出てこられて本当に嬉しい。





平成25年10月1日(火)  |固定リンク

 

目の眼」11月号、本日発売です。特集は「朱とみずがね姫」。滋賀の MIHO MUSEUM で開催されている「朱漆『根来』中世に咲いた華」にちなむもので、根来の美しさの源を探ります。





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